「生物と無生物のあいだ」(福岡伸一 講談社現代新書)
50万部を超える販売部数ですので、もうすでにお読みかもしれません。
分子生物学という難しそうな研究をされていて、
書籍に出てくる言葉は
DNA、たんぱく質、ヌクレオチド、エントロピー、GP2、プリオンなど
難解に思えます。
ところが、この本の趣旨は分子生物学を解説することではないのです。
生物学の研究の話は、疑惑の真相を追究するドラマのように展開され、
研究者の苦悩や愛憎が描かれています。
そして何より、
この本の主題「生命とは何か」の問いから得られる最後の言葉が心に落ちます。
ミクロの世界を探求しているうちに、
地球規模のマクロの世界にいきなり放り込まれ、
真実が光って見える気がします。
全体を通しても、美しい日本語で、
文学としても高いレベルにあるのではないでしょうか。
ぜひ、一度お読みください。
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